「童謡・唱歌の言葉の持つ優しさや美しさを共に歌い、失われがちな人への思いやりを互いに感受しあい、心豊かなまちづくりに寄与する」ことを目的にとして、地域のたくさんの方々に愛されてきた川崎童謡の会のラスト・コンサートに講師・歌い手として出演させて頂きます。
これまで出演させていただいた川崎童謡の会は、お集まりの皆さんと一緒に歌うコーナーと、講師による演奏のコーナーという構成でしたが、今回は安田祥子さんによるステージも加わります。
明治以降、たくさんの童謡・唱歌が創作されてきました。山田耕筰の有名な〈この道〉や〈赤とんぼ〉も作曲家自身によって「芸術的童謡」と位置づけられています。
私個人としましては、純芸術(?)的な歌曲作品が日本に多くあって欲しいなあと願っていますので、童謡・唱歌の歴史の力強さにはちょっと抵抗があったのですが、川崎童謡の会と関わらせて頂いてからは少し考え方が変わりました。
つまり、日本人は「歌」を鑑賞するよりもも声を出して歌うことが好きなんだということに気づかされました。
山田耕筰の多くの「芸術的童謡」も、職業音楽家によって歌われることよりも、一般の大人たち(子供ではなく)に歌われることを前提として作曲されました。
また、戦後は歌声喫茶やうたごえ運動など、聴くことではなく歌うことを目的とした場所や運動がありましたし、今でも親しい友人との飲み会の後にはだいたいカラオケでしょう。
本来、日本人は歌うことが大好きなのだと思います。僕も大好きです。
そうした、私たちにとって「川崎童謡の会」のような場所はとても大切な場所でありました。
いつか私も「川崎童謡の会」のような、多くの人が自分の人生のために歌うことを楽しめるような場所を作りたいという思いを胸に、今回のラスト・コンサートでは精一杯講師・歌い手を務めさせていただきたいと思います。
2018年10月31日
午後1時半開演(1時開場)
チケット前売3000円、当日3500円(全席自由)
プログラム
第1部「田中俊太郎といっしょにうたおう&ミニコンサート」
第2部 安田祥子「歌のおくりもの」
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